この日は、水戸にて、定例の事務局会議。やはり、最大のテーマは厳しい現在の集金状況だった。正直言って、目標はまだ遠い。不景気に重なった震災の余波・・・たしかに水戸をはじめ、茨城各地を歩くと目につくシャッター商店街と改修中の建物。みなさん、余裕がないのは当たり前。協賛をいただけるのは奇跡に近いと大げさでなく思う。厳しい現実の中で感謝を忘れず・・・・
しかし、吉報もあった。「天心」の撮影を担当する芦澤明子さん。邦画界では珍しい女性キャラマンのベテランだ。僕とはダンカンさん主演のサスペンス映画「ダーク・ラブ」やフジテレビの「元ミス日本」のその後の人生を追ったドキュメンタリーでご一緒した。大ヒット作「60歳のラブレター」や同じ茨城が舞台で天心の弟子、陶芸家、板谷波山を描いた「HAZAN」など、数々の名作、話題作も撮った人。その彼女が撮影した新作「わが母の記」がモントリオール国際映画祭の審査員特別グランプリを受賞したのだ。
この映画祭では、あの「おくりびと」もグランプリを受賞し、オスカー受賞の前哨にもなった。今回「天心」の編集をしてもらうのは「おくりびと」も
担当した重鎮の川島章正さん。最強のスタッフが揃い、「天心」もモントリオールをめざそう!と気炎が上がった。苦しみの先に、オーバー・ザ・レインボーか・・・。
夜は、水戸の県民文化センター小ホールで、ドキュメンタリー映画「無常素描」の上映があった。東日本大震災から1か月経ったGWに、被災地の姿をキャメラに収めた世界最速のドキュメンタリー。
上映の前に、企画をした310+1(ミトプラスワン)の方に無理を言って「天心」のPRあいさつと予告編の上映をさせてもらった。司会をした寺門さんや谷田部さんは「天心」の事務局会議にも毎回参加してくれ、貴重で親身なアドバイスをしてくれる。若くて、熱くて、何より映画を、茨城を最も愛する人たちだ。カンバッジの販売もしていただき、同じ女性スタッフの木村さんも懸命に呼びかけをし、手伝ってくれた。さらに渡辺裕之さんの講演会スタッフだった市役所に勤める野澤さんは、その時に知り合い、父上様も郷土史研究家で、天心・大観への造詣も深い。皆さまのお陰で、バッジはこの日、完売となった。本当に感謝、多謝!です。ミトプラスワンの詳細は→http://sites.google.com/site/3101cinemaproject/homeまで
上映後、磯崎寛也さんと面談。
磯崎さんは、TBS赤坂サカスのエリアや、愛知県の愛・地球博記念公園、さらには上海でも、アートプロジェクトやイベントを開催し、国際的に活躍する協会NANJO and ASSOCIATESの代表さんだ。恩田陸さんと同級生だった水戸一高では映画研究部に属し、早稲田大学で美術史を学んだ筋金の映画&美術人で、天心への造詣も大変深い。そのブログは天心学習の教本にもなるほどで、必見です!→http://www.ith.ne.jp/president/
実は、僕へのエールもすでに2年前の2月にブログで綴ってくれ、「鬼が鬼を描く」という切り口で紹介してくれている→
http://www.ith.ne.jp/president/au/2010/0205/907.html
この夜は、熱く映画話を交わした。水戸に芸術大学を!という高邁で面白い構想も持っている。磯崎さん、一緒に「天心」をぜひ実現しましょう!今日は、磯崎さんのブログの言葉でしめくくります。
お金の集まらない映画「岡倉天心」の監督に電話した。
皆、もう一つ伸び悩んでいる。
回路が開かない。
しかし目指す未来はある。